10・醤油ひとくちメモ歴史上の資料に『醤油』の文字が登場したのは安土桃山時代と言われています。当時の僧侶の日記に記されていますが、それが醤油の起源かというと違うようで、それ以前に日本では『魚醤・肉醤・草醤・穀醤』という食料を塩で漬けたものを『醤=ひしお』と言って、弥生時代には既に魚を塩で漬けた魚醤があったという記述が存在するそうです。醤油の原型である醤=ひしおは大きく三つに分類され、魚や肉の塩漬けにした『魚醤』・『肉醤=ししびしお』、野菜を塩漬けにした『草醤=くさびしお』、そして穀物を塩漬けにした『穀醤=こくびしお』などが有り、飛鳥時代に中国から伝来されたものとされています。また、鎌倉時代に覚心と言うお坊さんが中国から持ち帰った径山寺味噌(きんざんじみそ)の製法が紀州に広まり、味噌桶の底に溜まった液体が美味しかったということが醤油の原型になったという説もあって、和歌山県が醤油の発祥の地と言われる由縁がここにあります。『和食』の味わいを司る調味料はどの様に造られるか?
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