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16日本酒(清酒)について日本酒の歴史は本当に古く、古代では口噛酒(くちかみざけ)と言って、若い女性が炊いた米を口で何度も噛みしめてから、壺に入れて、人間の唾液に含まれている糖化酵素によって甘くなったものを野生酵母によって発酵させたものが最初であったと言われています。縄文時代後期には米にカビが生えるとやがて発酵して酒になることが知られていたと推測されています。正式に米麹を使用してお酒を仕込んだのは平安時代の延喜式と言われ、室町時代には精米、酛(もと)造り、火入れなどの現在の酒造りの基礎が固まって来ました。その酒造りでは、一麹、二酛(もと)、三造りと昔から言われているように麹の善し悪しが日本酒の品質を決めてしまうほどに重要視されています。それこそアスペルギルス・オリゼーの最大の活躍の場です。オリゼーにとって蒸米は大の好物で、名前の由来になっている通り、蒸米のでんぷんを体内から出す強力な糖化酵素によってブドウ糖に変え、それを栄養分として菌糸を伸ばしながら育って行きます。その体内から出す酵素の種類は100以上とも言われ、代表的な酵素としては液化酵素、糖化酵素、タンパク質分解酵素、アミノ酸を生成する酵素など多種多様です。日本酒に使用する米こうじとしては、仕上がった麹の酵素力のバランスによって、仕込む醪(もろみ)の酒質が決まります。米こうじはお酒の設計図とも言える存在なのです。次ページに日本酒の製造工程のイラストを紹介します・日本酒製造では精米から貯蔵までは約3か月程かかります。日本酒は工程が複雑な日本の宝なのです。アスペルギルス・オリゼーが大活躍する日本酒の米こうじ

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